認知症には、治療によって治るものと根本的には治らないものがあります。治らない認知症においては、適切な治療で症状を緩和させることや症状の進行を遅らせることが可能です。
物忘れが気になったら「齢のせいかな」と片付ける前に、気軽にご相談ください。
認知症の予防、改善のためには、患者さんの身体、生活全体に目配りできる「かかりつけ医」の機能をもつ医療機関が必要だと考えられています。
認知症の種類
認知症はその原因から、いくつかの種類にわけることができます。
脳の神経細胞の異常が原因で起こる「変性性認知症」には、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがあります。
他に脳梗塞など脳の血管の異常が原因で起こる「脳血管性認知症」、脳外傷や脳腫瘍、脳炎などで起こるその他の認知症があります。
認知症は、その原因を早期に発見することが大切です。そうすることで、本人やご家族の生活の質を高め、ご家族の介護の負担を減らすことができます。
また、早い段階で認知症の診断を受けることで、今後、病状が悪化した時に備え、「どのように介護してもらいたいか?」や「財産をどうするか?」などについて、ご自身の意志をはっきり示しておくことができます。
日常生活で、以下のような変化があったら、受診されることをおすすめします。
- 同じこと繰り返し話したり、尋ねたりする
- 物の置き忘れや、しまい忘れが多くなった
- いつも通っている道で迷う
- 約束した日時や場所を間違える
- 会話で、物の名前が言えず「あれ」「それ」などの言葉が多くなった
- 新しいことが覚えにくい
- 計算や料理など、日常生活でのミスが多くなった
- 周囲への気づかいがなくなり、頑固になった
- 最近、ささいなことで怒るようになった
- 身だしなみを構わなくなった